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事業計画書をステップバイステップで作成:『7日で作る 事業計画書』【第24号】

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こんにちは、週刊ブックレター編集部です。

起業や新規事業をはじめる際に、
・融資を受ける
・仲間を募る
・株主や出資者など支援者を募る
といった場面で、「事業計画書」が必要になってきます。

よく言われるように、素晴らしいアイデアを思い付いたとしても、
それが具体的な行動計画・資金計画、マーケティング戦略といったものによって
肉付けされていなければ、「絵に描いた餅」に終わってしまいかねません。

また、自分の頭の中で完成された戦略や商品のイメージがあったとして、
他人がそれを汲み取り、分かってもらうのは困難なことでしょう。
人に信じてついてきてもらうためには、夢を描くだけでは不十分かもしれません。

そして、事業計画書は「事業を具体化する計画書」という意味だけでなく、
協力者を募るための説明書」という側面もあると考えられます。

とはいえ事業計画は、金融や財務、経済背景やマーケティングなど広い知識、
加えて図解やデータの視覚化など、プレゼン表現能力が必要で、
小難しくハードルが高いイメージがあります。
金融やコンサルティング、新規事業といった業界・業種の
経験がある方ならまだしも、未経験の方が簡単に作れるものではありません。

さて、本書はそんな事業計画を「7日で作る」と大胆な約束を
読者にしている、ある意味で挑戦的な本です。
初めての人にもわかりやすく書き下ろされています。

本書では3つの事業例に基づいており、それぞれ、

①英語スピーキング練習用のスマートフォンアプリ
②雨の日でもすぐタクシーを予約できるスマートフォンアプリ
③つけ爪ECサロン

となっており、事業を立ち上げたい読者の
多様な背景に対応できるように作られています。

著者はベストセラー『ゼロ秒思考』の赤羽雄二さんで、
同氏は東京大学卒業、スタンフォード修了後、
マッキンゼーに入社し、多数のプロジェクトをリード、
その後、経産省や総務省で有識者として
日本のベンチャー事業創造の活性化を担っている人物でもあります。

肝心の「7日」がどんなプログラムになっているかというと、以下が目次です。

1日目 事業計画の全体像をいったん作る①
2日目 事業計画の全体像をいったん作る②
3日目 顧客・ユーザーインタービューを実施し、全体像を見直す
4日目 テンプレートに記入し、事業計画の体裁を整える
5日目 改めて顧客・ユーザーインタビューを実施し、内容を修正する
6日目 収支計画を立案し、事業計画を修正する
7日目 最終仕上げとプレゼン練習をする (p.79)

1日目2日目は、いわゆる「ブレインストーミング」に近いステージであり、
A4メモに思い付いたアイデアをどんどん書き出してことが推奨されています。

ブレインストーミングでもよく言われるように、
なんでもかんでも最初から緻密に検証していたら、
良いアイデアの芽が摘まれてしまうのでしょう。
まずは馬鹿げた思い付きでも、書き出してみることがよいのかもしれません。

1日目は、事業計画の全体像をいったん作る。
「解決すべき重要な課題とターゲット顧客・ユーザー」に始まり、
「事業ビジョンとその達成ステップ」「経営チーム」
「製品・サービスの内容と特徴」「市場規模、成長性」
までを頑張って整理する。

2日目も、引き続き全体像を作る
「事業戦略と競争優位性」に始まり、
「事業提携と実現方針・シナリオ」「利益を上げる仕組み(ビジネスモデル)」
「組織体制」「実行計画」までを整理する。(p.81)

また、3日目では、ユーザーとなりそうな人を巻き込み、
ヒアリングしていく中で、アイデアをテストしていきます。
ここではその相手を、家族や友人にしないことが強調しています。
「彼らは本当のことを言ってくれないかもしれないから」と。

静かなオフィスの会議室で、交通費や謝礼を支払い、
45分~1時間程度が望ましいと、具体的に書かれています。

4日目以降は、3日目までに広げたアイデアを、
プレゼン資料に落としこんでいきます。
実際のスライドサンプルがあるだけでなく、
細かくページ指定などあるところも良い点です。

①解決すべき重要な課題とターゲット顧客・ユーザー: 2ページ
②事業ビジョンとその達成ステップ: 2ページ
③経営チーム: 1ページ
④製品・サービスの内容と特徴: 3~4ページ
⑤市場規模、市場性: 3~4ページ
⑥事業戦略と競争優位性:3ページ
⑦事業提携と実現方針・シナリオ:2ページ
⑧利益を上げる仕組み(ビジネスモデル):2ページ
⑨組織体制:2~3ページ
⑩実行計画:1ページ (p.183)

5日目では、できあがった事業計画のドラフトを
顧客・ユーザーにプレゼンで説明し、リアクションを見るステージに入ります。

顧客・ユーザーの反応である程度あてになるとしたら、
「え? 何これ! すごい! 本当なら今すぐほしい。
試作品でもいいからすぐ持ってきてほしい」
「最初に使わせてほしい」「いくらだ? 今すぐ金を払わせてくれ」
と狂喜された時くらいだろう。残念ながらここまで喜ばれることは中々ない。

大半のケースは、こちらを思いやって、
「いいですね。多分使うと思います」
程度になる。こういわれた時は、
「はずれた。だめだ。やり直しだ」と理解していただきたい。(p.205)

などとかなりリアリティのあるアドバイスをしています。

6日目では、収支計画や資本政策といった「お金」の話に入っていきます。

収支計画とは、売上や入金時期など、会社のお金が倒産しないように
回っていくかを確認できる資料です。

資本政策とは、株式を誰がどれほど持ち、
そのバランスが出資などによりどのように変化していくかの予定で、
計画的に行わないと取り返しのつかないことになると言われます。

最後の7日目では、20分程度を目安にしたプレゼンの練習をし、
聞き手からのフィードバックを元に修正して仕上げとなります。

本書のメリットは「指示が細かい」点でしょう。
どういうことかと言えば、

・Facebookタイムラインのビジネス上の緩いつながりから情報収集する
・Googleアラートで20~30の気になる単語を登録する
・貸会議室やカフェでインタビューする
・検索作業効率化のために表示を100にする
・ネットで100個以上の関連記事を読む
・毎朝・毎晩自宅で30分、集中の途切れない「新しいウィンドウ」で読む

といった具合で、厳密で定量的なアドバイスを行っています。

数々の関係者を動かし、プロジェクトを成功に導いた著者だからこそ、
数値目標を具体的にする習慣がついているのかもしれない、
と感じられる部分でもあります。

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