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稼ぐための金言集:『金儲けのレシピ』【第12号】

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こんにちは、週刊ブックレター編集部です。

この度ご紹介するのは、純粋に「お金儲け」にまつわる
経済の法則を、エッセンスとして短くまとめた書籍です。

黒いカバーの内側をひとたびめくると、そこに掲載された言葉が、
本書籍のコンセプトを非常によく表しています。

要は金が稼げればいいだけなのである。
エクセルでうまく計算ができたり、
パワーポイントでキレイなプレゼン資料が作れたり、
英語ができたりすることは、
本質的な仕事の能力とは全く関係がないのだ。

上記の引用から推測いただけるように、
ビジネススクールや資格・スキル市場が発展した現代、

本来の目的=「金を稼ぐこと」が何かを忘れてしまった人々への
アンチテーゼとして、著者は「金儲けのレシピ」を突き付けています

さて、いくつか本書の内容をご紹介しましょう。

冷静に考えると、家具のコストのうち材料のコストというのはさほど高くなく、
むしろ組み立てにかかる労働コストのほうが重いはずなのだが、
IKEAは「DIY」という文脈に乗せて、組み立て作業を客に押し付けている(中略)

「客に作業を押し付ける」という点では、焼肉も同様のビジネスである。
焼肉は、冷静に考えると、肉を切って多少たれにつけてある、といった程度の料理である。
肉を焼くのは客側なので、調理工数がほとんどかからない。
従って職人的な調理人を雇う必要がないという点で、
飲食店としては取り組みやすい業態なのである。(中略)

焼肉屋は元々、「『セルフ』焼肉屋」なわけだが、
「客に作業を押し付ける」原則を転用して、
セルフ天ぷら屋、セルフ鮨屋、セルフ牛丼屋、セルフゴルフ場……
セルフ○○というフレーズを世のビジネスに当てはめてみるだけで、
新しい「金儲けのレシピ」が見つけられるだろう。(p.34~39より一部抜粋)

上記からお分かりいただけるように、
本書は我々が当たり前に思えるようになったビジネスモデルを見て、
その本質(=利益の源となっている原理原則)に立ち返り、
儲けとは何なのかを突き詰めています。

かつ、その本質を別の何かに組み合わせることで、
事業の新たな着想や進展に昇華させているという点も、実用価値が高いポイントです。
たしかに、自分で素材に衣をまぶして揚げる天ぷら屋があっても、面白そうなものです。

個別の営業局面を想定した場合、当然ながら、なるべく相手に非合理な意思決定をさせ、
会社がたくさん儲かるようにしたほうが有利なわけである。
特に取引の一回性が強いビジネスでは、リピートが想定されていないため、
1人の顧客からなるべく多くの利益を搾り取るという方向性で
ビジネスを展開したほうが有利である。(中略)

この「非合理的な意思決定をさせる」ビジネスの代表例が
「来店型保険ショップ」である(中略)

冷静に考えると、保険の良し悪しなどネットで比較すれば一瞬でわかることである。
従って、「来店して人から説明を聞かないとよくわからないよ」という人は、
ネットで情報を能動的に調べることのできない「情報弱者」が多数を占めると考えられる。

来店型保険ショップはたいてい、駅前の一等地にあり、それだけで大きく地代家賃がかかる。
逆に言うと、その地代家賃をリクープできるような収益性がなければ、
大規模展開ができないのである。
会社の儲けは当然顧客に費用転嫁されているわけだ。(p.92~94)

「ほけんの窓口」のようなビジネスモデルを揶揄しているようにも、
「素晴らしい商売だ」と称賛しているようにも取れますが、
このような視点は我々一消費者としては身が引き締まるものです。

他にも、
・癒着を通じて安く仕入れよ
・権威者になって格付けせよ
・金儲けのレシピ自体を販売せよ
・接待や結婚式、葬式のような受益者が他人の金で消費する商売をせよ
・射幸心を刺激し、合法的に中毒にさせよ
といった身も蓋もない「商売人の利益最大化メソッド」が綴られており、
たった144ページという薄さの中に、
さながらカルピスの原液のように、濃い商売のノウハウが詰まっています。

歯に衣を着せぬストレートな語り口に嫌悪感を示す人もいるかもしれませんが、
それを”味”と楽しみ実践する読者にとっては、文字通りの”金言集”になるでしょう。

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