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SNSを名刺にしてチャンスを掴む:『「普通」の人のためのSNSの教科書』【第15号】

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こんにちは、週刊ブックレター編集部です。

本日ご紹介する本は、ご覧の通り、
非常にユニークなタイトルのSNSビジネス活用指南書籍です。

SNSを使って、人脈を広げ、仕事を得て、メディアに出演し…、
といった具合で、上手にセルフブランディングしていきたいものです。

著者の徳力基彦氏のTwitterのフォロワー数は、驚きの14.7万人。さらに、
・書籍の出版
・有名バラエティ番組への出演
・講演会登壇の依頼
・大学講師として登壇
・1万人規模のイベント開催
・ウェブメディアの連載依頼
・一流芸人の懇親会に参加
・勤務先が超一流外資の国内事業パートナーに選ばれる
など、さまざまな活躍をされています。
ところが、元々は「普通の会社員」だったのです。

著者は自分がこのような機会を得たのは、
SNSを匿名ではなく、リアルとネットを分けずに使っていたからだと言っています。

このようなサクセスストーリーを聞くと魅力的に思えますが、
実際のところ、多くの社会人にとって、「実名でSNS」というと抵抗があるでしょう。
「そもそも普通のネタなんてない」「個人情報が流出するのが怖い」
「文章に苦手意識がある」「会社に迷惑をかけて怒られるかもしれない」
こういった不安が付きまとうため、多くの人は匿名でSNSを運用しているでしょう。

しかし、著者はこのように断言します。

匿名で日記を発信しても仕事にはつながりませんし、
PV数やフォロワー数を重視してバズをねらう
ネットインフルエンサー型の発信は危険すぎます。
ビジネスパーソンのSNS発信には、戦略としたたかさが必要です。
本書では、「普通」の組織人がつかえる具体的な方法やポイント、
コツもお伝えしていきます。(p.14)

これこそが本書のコンセプトです。

たしかに、ネットインフルエンサーは会社に依存せず、
独自の収益基盤を持っていることも多い、
あるいは所属組織のブランディングに自身が責任を持っている立場だったりするので、
当然発言して困ることも少なくなります。
そのような立場であれば、個性的で切れ味のよいオピニオンを世間にぶつけられます。

一方、普通の会社員は同僚や上司・部下、株主や社員、取引先の手前、
尖った発言をすることは望ましくありません。

つまり、ネットインフルエンサーとは違うゲームルールでSNSを使わないといけないのです。

本書で定義している、普通の人向けの発信10のポイントは以下のようなものです。

【発信のポイント1】 軸を決め、キャッチコピーをつける
【発信のポイント2】 「アウトプット・ファースト」でいく
【発信のポイント3】 自分なりのペースを見つける
【発信のポイント4】 ロールモデルを見つけ、自分らしさを確立する
【発信のポイント5】 PDCAを回していく
【発信のポイント6】 自己ブランディングに役立てる
【発信のポイント7】 「この人に読んでもらいたい」という気持ちで書く
【発信のポイント8】 「徳力メソッド」を使う
【発信のポイント9】 対面で言わないことは発信しない
【発信のポイント10】 計画に時間をかけすぎない(p.121~138)

すべてを総括して言えば、
「ゆるい内容を・真似や改善を繰り返しながら・気の向くままに使う」
といったイメージですが、特筆すべきはポイント8「徳力メソッド」です。

これは著者である徳力さんの特徴的な書き方を、
ブロガーのジェットダイスケさんがこのように紹介したことからついたそうです。
ではどのような書き方なのかというと…、

「1.タイトルで言いたい事は語り尽くしてしまう
2.本文は思い付いたことをつらつらと
3.締まらない締め方、何もまとめずに終わる(中略)

要するにからわれているのですが(笑)、これを聞いたとき、
的を射ているな、おっしゃる通りだなと思いました。
結局のところ、組織の看板を背負ったビジネスパーソンは
このように結論をあいまいにしてしか書けないのです。

ビジネスについて何か書こうとすると、自分はそのつもりがなくても
他社批判と受け取られる可能性があります。また、ビジネスに正解はないので、
一概に正しい・間違っているといえない場合も少なくありません。

知名度のあるインフルエンサーやバズをねらうTwitter芸人であれば、
「こんなのダメだ!」とバッサリ斬って捨てたほうが
「あの人はかっこいい」と思われ、フォロワーが増えるでしょう。
しかし普通のビジネスパーソンがこれをやってしまうと、
確実に敵を増やしてしまいます。(中略)

徳力メソッドでは、インプットした情報を紹介し、
それに対して自分はこう思う、なぜならこうだから、
でもそうじゃない考え方もできますよね、と書くのが基本型になります。

(p.133)

要するに「どっちつかず」な言い方をすれば、
自分の意見を発信してフォロワーとコミュニケーションを取りながらも、
社会人として迷惑をかけない発信になる、
という良いとこどりなアプローチです。

本書は「SNS」と書いてありますが、
主にTwitterとnoteが想定されているように思えます。
テキストで自分の考えを表明するのが得意な方は、
これらのツールを使いこなすことでチャンスを大きく広げることができそうです。

ぜひ「徳力メソッド」を活用して、
SNSを駆使し「セルフブランド」を構築してみてください。

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