こんにちは、週刊ブックレター編集部です。
今回は「せどり」や「転売」のイメージがあるAmazon物販で、
無許可ではなくメーカーと直接やりとりし、卸値で仕入れ、差額をいただくという、
「1次卸型」の物販を提案している本をご紹介します。
物販に手を出したことがある方ならご存じのとおり、
これだけ副業が身近になり、誰でも気軽にネット出品ができるようになった昨今、
Amazon・楽天・Yahoo!などを使った販売は、常に価格競争にさらされ続けます。
5,000円で仕入れたフィギュアを、7,000円で出品したところ、
数日後、相乗りで6,500円のセラーライバルが現れたことに気が付きます。
対抗して、6,400円(最安価)に再度価格を調整したところ、
今度は6,000円の出品者がいることを発見します。
このように参入者が多く、ライバル同士で簡単に販売価格をチェックできるため、
競争はどんどん激化してしまう宿命なのです。
このような市場と経済の原理にのっとって、仕入値(5,000円)の限界価格付近まで落ちていく…
という熾烈な戦いが続いているのが、せどりや転売の現状です。
「商品を抱き合わせる」「おまけをつける」といった方法で、
価格競争を回避する方法も流行っていますが、これもまた一時的なしのぎにしかなりません。
激しい競争に伴って必要になるのは、本書で言うところの「リサーチ地獄」(p.3)。
常に利益の出る商品を探して、家電サイトをチェックしたり、入荷情報を通知させたり、
といった非常に地道で長時間にわたる作業がつきものになります。
そういった問題から脱却すべく、本書が提案しているのが「メーカー直取引」という方法です。
要するにメーカー企業の担当者と直接交渉して信頼関係を築き、
卸値で仕入れられる「販売パートナー」になるということです。
本書は、直取引には8つのメリットがあると語っています。
メリット①:最安価で仕入れることができる
メリット②:リピート性が高く、長期的に商品の仕入れが可能
メリット③:直取引ならではの抜群の品質と信頼性
メリット④:Amazonアカウント閉鎖のリスクが低い
メリット⑤:販売価格が崩れにくい
メリット⑥:メーカーと信頼関係を築いて利益率アップ
メリット⑦:Amazonでの独占販売権を獲得することも可能
メリット⑧:OEMで自社商品を販売していくこともできる
①、⑤、⑥のように「仕入れが安い」ということは、
物販において何よりも強い武器になるでしょう。
⑦のようにメーカーと「独占販売」の契約を取り付けられれば、
もはやライバルは存在せず、確実な利益を上げ続けられることが確定します。
また、守りの意味でも②、③、④のような魅力があります。
②安定した仕入れ先が確保できるので、転売のように仕入れが不安定になりません。
③品質も保証されており、不良による返品対応が発生する可能性を下げられます。
④万が一、真贋調査やアカウントの停止があったとしても
メーカー直請求書を提出できるため、Amazonに優遇されます。
あるいは、⑧のように自分がメーカーになるなど、
ビジネスに拡張性があるというところもポイントです。
OEMとはそのメーカーさんに、自社、
つまりあなたの会社ブランドの商品を製造してもらうことです。
ところで、AmazonにはFBA(Fullfillment By Amazon)という仕組みがあり、
Amazonの倉庫に納品すれば、顧客対応や商品個々の発送・梱包作業を
Amazonスタッフが代行してくれるというサービスがあります。
これまで返品対応や顧客のメール対応など、
労働集約的な働き方を余儀なくされた物販ですが、
FBAがあることによって、作業の手離れが良くなりました。
本書ではFBA納品の仕方についても、管理画面の使い方や利益計算方法、
梱包や発送の仕方などをていねいに解説しています。
内容の紹介は以上となりますが、この書籍の良いところは徹底的な具体性です。
物販実務で発生する作業の解説動画や、たくさんの資料がDLできます。
・リサーチ表
・会社概要書のオリジナルテンプレート
・オリジナル管理帳簿
・儲かるメーカーリスト300
など、1,600円で手に入る書籍としては、十分すぎる特典です。
ただし、「個人でもできる」と書いてありますが、
副業というより本業としての卸売と言うべきかもしれません。
名刺や会社メールアドレス、固定電話、FAX、企業HPなどは、
腰を据えない限り、なかなか気軽に作れるものではありません。
ただ、本気で物販を始めようという覚悟がある方には、
骨太で有益な良書であることは間違いありません。