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コンサル特有の営業資料・ノウハウを公開:『売れるコンサルタントになるための営業術』【第18号】

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こんにちは、週刊ブックレター編集部です。

この度ご紹介する本は、「コンサルタントのための営業手法」
という非常にニッチなテーマであり、実用的な内容となっています。

対象読者は、いわゆる独立系のコンサルタント、
あるいは小さなコンサルティング会社の会社員でしょう。
マッキンゼーやBCG、ベインアンドカンパニーといった
大手所属のコンサルタントではありません。

自分の名刺を使って、どのようにクライアントの課題を解決できるかを、
Webサイトや資料に落とし込むための、体系的な手引書だと言えます。

著者は”コンサルタントのコンサルタント”こと五藤万晶さんです。
130名のクライアント、1000人以上へのアドバイス経験のもと、
仕事を得るためのノウハウが全5章にわたり、綴られています。

まず著者は独立したコンサルタントが営業に困る原因の問題提起をしています。
いわゆる「士業」「セミナー講師」「研修講師」といった職種とは根本的に異なり、
売れないコンサルタントはその違いを認識できていない、ということです。

税理士や社労士といったビジネス系の士業をはじめ、
セミナー講師、実務研修、講演家といった仕事があります。
また、ビジネス系の中でも、自分の個性を売り物にメディアを使って
活動するビジネスタレントなど、周囲には多くの「似て非なる仕事」で溢れています。
このため、自分はコンサルタントを目指いしているとわかっているはずなのに、
ついつい勘違いをして、似て非なる仕事の真似をはじめてしまうのです。(中略)
私から言わせれば、コンサルタント業と似て非なる仕事とは、
イルカとサメくらいに、「生きていく手法」がまるで違う仕事なのです。(p.16)

本書では、わかりやすいマトリクス図を使って、
「教える仕事」の生態系を分類しています。
縦軸が専門度、横軸が人数です。

高度
B | D
大人数 ーーーー 少人数
A | C
易しい

Aゾーン→学校、学習塾、簡単かつ大人数で行うこと
Bゾーン→簿記、経理、在庫管理、秘書講座、ビジネスマナー
Cゾーン→ピアノやパソコン、お稽古ごと、個人レッスン、家庭教師
Dゾーン→個別相談、個別対応、個別コンサルティング

コンサルタントは、Dゾーンの仕事であるため、
セミナーで笑いを取ったり面白おかしく話をすることは、
何の意味もないと痛快に書かれており、

営業はビジネスの生命線(p.19)

営業の現場に丸腰で行くな(p.101)

コンサルタントにとってセミナーとは商談活動である(p.103)

といったアドバイスからも、商売の意識の違いがよくわかります。

「営業の現場に丸腰で行くな」とありますが、
具体的にどのような営業資料を作ったらいいのかも、本書では綴られています。

では、「コンサルティング」を案内するツールとしては、そこに必要な要素とはどんなものがあるでしょうか。
このことについて、よくご質問を受けますが、概ね次のようなものが挙げられます。

「自らのコンサルティングの方針、考え」
「コンサルティングの具体的な内容」
「標準的な実施期間や回数」
「コンサルティングをお勧めする会社像」
「コンサルティングの特徴」
「コンサルティングの進め方」
「料金や支払い方法」
「コンサルタントの紹介やプロフィール、実績、会社像」
「お客様の声、利用者の声」(中略)

要するにどういった考えや方針に基づいてコンサルティングを実施してくれるのか、
おおよそのコンサルティング期間は何カ月くらいで、
訪問頻度や回数はどれくらいなのか、
勧めていく実施内容はどうなのか…といったことが、
はっきり表示されているかどうかということです。

何も小難しい話をしようというわけではありません。
ビジネスをするにあたって「当たり前のことをしましょう」
と申し上げているだけです。(p.110~112)

著者の言うように、コンサルティングのような100万円単位の高い商材を売る上で、
納得をもらうためにも、トラブルを避けるためにも、ちゃんとした説明が必要です。

また、企業の担当者とコミュニケーションする場合は、
これら資料が決裁材料となるため、資料を作りこむほど
その資料が一人歩きして上手なセールストークをしてくれます。

本書は「コンサルタントのための」と言いながら、
法人営業やソリューション提案型の営業をする
すべての経営者・営業・マーケッターにおすすめできるかなりの良書です。

また、最近増えているフリーランスエンジニアやデザイナーの方々も参考になるはずです。

小版型に216頁という小さな本ながら、内容の資料価値は抜群です。
単価の高い無形商材・サービスを売るときに、時間がかかる大変な資料作りが発生しますが、
ふと作り方に迷ったときには、本書がガイドになってくれるでしょう。

記事フッター

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